先人から学ぶ(11)

鷹の目

気長に待つといってもボンヤリしていては何にもならないわけで、吉兆にしろ凶兆にしろ、微妙な変化を見逃さないよう神経を張り詰めて見守る必要がある。

引用元:リチャード・スミッテン 藤本直(訳)(2001)「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」角川書店

特に成り行き注文派の人にはなんの説明もいらないですね(笑)。エントリーを細かいタイミングで狙うなら余計にこの言葉はあてはまると思います。

スイングトレードで成り行き注文であれば、それほど神経を張り詰めてまで見ておく必要はないと思いますが、遠目にでもチャートに目を向けていないとチャンスを逃してしまいますよね。

注文する時でもポジションを持ってからでも、いずれにしても狙い目ですぐ対応できるようにしておくことはチャンスをものにするためには必要です。

特に、もみ合ったあとの動きというのは爆発力があるのでそのチャンスには乗っかりたい。私はもみ合っているときは基本的にトレードをせず、あきらめ状態でチャートをあまり見なくなりますが。

また、本気でFXで儲けたいと思っているなら、トレード転換の形になりそうな時、押し目や戻り目を狙う時はできるだけチャートから目を離さずにタイミングを待ちます。ただ見ているだけかもしれませんが、それも仕事だと思わないとチャンスを逃してしまう結果になります。

「忍耐・我慢」とともに、撤退する「勇気」の必要性も強調した。すなわち株価が上昇の道をたどる間、ポジションを抱いて忍耐強く待つ必要がある一方、「一日逆転のポイント」が察知されたら、これを危険信号ととらえ、勇気をもって適正な行動をとらなければならない。(中略)「忍耐」と「勇気」に関わる力を信じていた。

引用元:リチャード・スミッテン 藤本直(訳)(2001)「世紀の相場師 ジェシー・リバモア」角川書店

※「一日逆転のポイント」
リバモアのオリジナル手法で「リバーサル・ピボタル・ポイント」というものがあり、詳細は省かせていただきますが、最近の手法で簡単にいうと売られすぎ、買われすぎの場面(ジェシーなりの判断方法がある)が現れたら打診買いや打診売りを継続して数回行い、それがトレンド転換と確定的と判断したら買い増しや売り増しをしていきます。「一日逆転」は「一旦逆転」の間違いではと思われるかもしれませんが、「一日逆転」が正しい表現です。

もう何度も耳にしたり読んだりされてることだと思いますが、「我慢」は本当に大事です。マイルールがあったり、テクニカル分析ができたり、ファンダメンタルズ分析ができたりしても、「我慢」するということの大切さに気づかなければトレーダーとして生き残るのは難しいと思います。

「資産を増やす」ということが目的なので「我慢」することによってのデメリットは全くありません。「我慢」するということはトレードのタイミングやポジションを持ったあとのことだけではなく、やりにくい相場であれば、あえてトレードをせず、一日トレードしない日があったとしても資産は守られたという考え方ができます。

増えてはいないが、減ってもいない。そう考えることはのちのち、少しずつでも資産形成のために必要なことと思えるぐらいにならなくてはならないと思います。

増やすことばかりに目がいってしまうと、「資産を守る」ということを忘れがちになります。資産を守りつつ、増やしていく。無駄な損切は不要ですが、自分の相場観とタイミングがぴったり合ったときにエントリーしたのに損切になったとしても、それは仕方がないこと。

それは決して無駄なトレードではないからです。一時的に資産は減りますが、その判断方法でうまくやれているのであれば、その損切は割り切るとができるはずです。割り切ることができない人は、「自分の判断は正しいはずなのに、逆のことやってるやつは誰だ!」とか相場や他人のせいにします。それはメンタル的にネガティブな状況を自分自身で作ることになります。

相場は正しいのです。売りたい人もいれば、買いたい人もいる。それで成り立っているわけですからね。みんなが自分と同じ考え方をしていたら、相手がいなくなるので取引は成立せず、為替取引というシステム自体、この世に存在しないものとなってしまいます。それをわかっていても他のことのせいにするならまだまだ成長しきれてません。

また、ポジションを持ってからも、我慢できずに手じまいしてしまい、利益を伸ばせなかったという場面ではあくまで結果論からの見方になりますが、そこで手じまいする理由があったのかどうか。チャートの形が崩れて、イメージと違ってきたのかどうか。

手じまいする理由があったのなら、そのあとどう動こうとそれは結果論としてスルーしましょ。理由がなかったのなら次に活かしましょ。

逆に「我慢」しないことによるデメリットは資産を増やすことへの弊害になります。我慢できずにやってしまった無駄なトレードによる無駄な時間の浪費は無駄に資産を減らします。

「資産を増やす」ということは無駄に減らさないことも必要ですから無駄なトレード、無駄な損切を抑えましょ。特にポジポジ病になりそうになったときは、パソコンから離れる勇気を持ちましょ。(笑)

そして、「勇気」。

この業界で「勇気」という言葉はどちからというと損切に対しての「勇気」という意味で使われることが多いと思います。が、とても前向きな行動です。我慢することは大切ですが、損切したくなくて我慢して、結果的にどうしようもなくなるのは大きな損失につながります。

含み損を抱えて戻ってくるまで待つのか、それとも一旦損切し、次のチャンスを待ち挽回するように考えるのか。この辺はその時の状況次第で判断が分かれると思いますが、私は含み損を長い時間かけて挽回できる可能性を待つより、一旦整理してしまい、リセットした状態で相場に向き合った方が、挽回できるかどうかもわからない含み損を抱えているよりは、次のチャンスまで待ち、それから挽回することのほうが楽チンに思います。

方向が変わり始めているのに損切をしないことはなおさら大きな損失につながります。結果的にプラマイゼロにするにはどちらの方法が良いか、効率的かということも考えながらトレードしてみると良いと思います。

損切の「勇気」を持つタイミングとエントリーのタイミングや手じまうタイミングを「我慢」する時間は、いずれもポジティブな段階です。しかしながら、「勇気」を出せず、損切すべきところで損切できずにいることは時間の無駄であり、無駄な損失を増やし、トレードとしてはネガティブな方向へと向かっていきます。人によってはかなりのストレスの原因にもなるでしょう。

トレードするとき、常に淡々としてやれるかどうかは、常にポジティブな段階で行動を起こすべきです。ネガティブな段階に入ってしまうと集中するのも難しくなり、冷静な判断もできなくなります。

右往左往せず、タイミングを見計らって、こうなったら売り、こうなったら買いというポイントを決めて、そうなるまではトレードは控え、我慢して我慢していくことで納得いくトレードもでき、自信も持てるようになると思います。

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FX雑記
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